豆乳とバナナ

たまに思ったことをつらつらと

花束みたいな恋をした レビュー

1人で映画館に行き、

見終わって、ぞろぞろと出ていくカップルを横目に

こんなことを思った。

 

「面白かったね」

なんてつまらない言葉で感想を言い合わなくてよかった。

1人でこの映画を見てほんとによかったー。

 

大学生活を恋愛に費やした私には、痛い程よくわかる感情が

次から次へとあふれる、そんな映画だった。

 

期待してる反応が返ってこなくて、期待外れでがっかりするようなLINEが返ってきたり

一緒に寝てるのに全く手を出してこなくてレスが続いたり

後から、なんで喧嘩したんだろって思い出せないようなことで言い争いしたり

どれも自分が見てきた景色と似すぎて笑っちゃった

 

最初は楽しくて幸せでグラフで言えば二次関数みたいな二人なのに

だんだんと右肩下がりになってって

しまいにはマイナスになって

 

はじまりはおわりのはじまり

 

でも、終わりを見ながら付き合い続ける事なんてできないから

続くように続くようにって願いながら付き合い続ける

だからこそ心の底から安心できることなんてないし

私が、相手が、いつ夢から醒めてどこかへ消えてしまうかもわからない

 

あんなに好きだったのにね、あんなに嬉しかったのにね

最初は共通点があるだけで盛り上がって、運命なんじゃないかって気にもなってきて

でも、現状維持ってなにより難しい

人と人の関係は変わっていく。

私が変わるから?相手が変わるから?環境が変わるから?

麦ちゃんと絹ちゃんはどうだったかな。

 

私にとって、私は変わらない。

絹ちゃんにとってもそうで、麦くんにとってもそうだったのかも。

 

でも周りを取り囲む環境は変わるし、

環境が変わったことによって

自分が思っていたのとは違う価値観を持っている相手の姿が見えたり

自分の大事にしたいと思えるものの優先順位が変わったり

はたまた大事にしたい優先順位は変わらなくても、 環境が変わったことで

優先順位を変えざるを得なかったり。

 

現実を見る麦くんと理想を追い求める絹ちゃん。

男女の感覚で言えば、女が現実で男が理想だと思ったけど

絹ちゃんの気持ちも麦くんの気持ちもわかる。

私個人の考えでは、麦くん寄りだけどね。

 

恋は生もの。賞味期限がある。

美味しく味わえる期間は決まってる。

だから3年、4年、5年とたって

しかもずっと一緒に居て、ずっと同じ気持ちのままなんて無理だと思う。

私がずっと相手を男として好きだとしても、相手が好きじゃなくなっちゃうかもしれないし。

家族みたいな存在になってしまうのかもしれない。

 

私は最終的には家族になるのが理想だから、麦くんの気持ちすごいわかったし

恋愛的に冷めるのは家族になる準備ができたってことって

言われてもそりゃショックだけど理解もできる

 

理想を追い続けてたら結婚なんてできない気がするな

絹ちゃんにも言われちゃうだろうな

また妥協して、ハードル下げて生きてくの?って

 

そうやって今まで生きてきてしまった私は、

麦くんの生き方(価値観)と一緒なのかも

麦くんは、イラストレーターも妥協

ブラック企業も妥協

今までたくさん妥協して生きてきたんじゃないかなって思った

一方の絹ちゃんは、仕事にも理想を追い求めて妥協してないし

趣味も妥協してない

 

そんなことで別れちゃうのかって思うけど

恋愛ってそういうもんだよね。

ものすごーーく脆いよね。

 

あんなに時間をささげて、あんなに感情を費やして、大事に大事に育てないといけないのに、本当に壊れるのは一瞬

 

だからきらきらしてるのかな

 

恋愛は一人に一つ。イヤホンのLとRみたいに、1つを分けちゃいけない

1つを分けて、一緒のものを聞いてるように思っても聞こえてるものは違うんだよ。

1つを分けて、一緒の時間を過ごしている、一緒の感情を共有していると思っても、お互いの捉え方も、見えているものも感情も、全然違うんだよ。

 

たしかになぁと納得してしまいました。

 

1年前、大学入学時から大学2年の1月末まで半同棲していた元カレとの

幸せだった思い出を回想して

序盤の幸せきらきらシーンで泣いてしまった。

私にもこんな時があったなぁなんて。

こんなに幸せでも別れるんだもんなぁって。

絹ちゃんと麦くんが幸せそうにしてるシーンで泣いてるのは

少なくとも私が見た上映会では私だけでした 笑

 

終わってから家に帰って、

映画の半券を大事に丁寧にマスキングテープで手帳にはった。

柄でもないのにね。笑

 

きょう、本屋さんに行って坂本裕二さんの書いた脚本があったので

見返してきました。

 

セリフを読んで鮮明にシーンが思い浮かびました。

最後のファミレスのシーン、菅田くんの泣き顔が上手すぎてこたえたなぁ

カラオケで楽しそうに笑顔で肩を組んで歌った後に、悲しい別れ話なんて

私には無理だと思った。

まだこんなに笑い合える瞬間があるならまだ別れなくてよくない?って

思っちゃって、きっとまた冷たい日常に戻って苦しむんだろうな。

絹ちゃんは強いよ、ほんとにすごい。

 

別れたくないよって言っちゃうだろうな。

ほんと、弱虫です。

 

私が大好きだった人との花束みたいな恋は明るく締めくくれなかった

泣きじゃくってボロボロになって別れた

 

次花束みたいな恋として束ねて締めくくるときは

笑顔でくくれたらいいな

 

まあ弱虫の私には当分無理だと思うけどね!笑